第4章 追い掛けてくる過去(ヒロイン視点)
バレー部の皆と過ごす毎日は楽しかった。あまりに楽しくて、あの日の事を忘れてしまう時もあった。でも、そんな日に限って、決まって夜はあの夢をみた。
それを紛らわす為に、一君には内緒でバレーサークルに入った。月曜日は部活が休みな為、月曜日だけサークルに行っていたが、それだけでは物足りず、部活が終わってからもサークルに行くようになった。そんな私をお母さんは心配してくれたが、何もしないで家に一人でいる方が辛かった。
夏休みに入り、月曜日以外は部活漬け。時間を見つけては、バレーサークルに通った。
八月に入り、夏休み二回目の合宿が始まった。
七月にあった合宿は他校と合同だった為、各校のマネージャーと分担し仕事をこなしていたが、今回は青葉城西のみの合宿だった為、私一人で掃除や洗濯、食事の準備をしなければいけなくて忙しかった。そんな私を見て、後輩達は手伝うと声を掛けてくれたが、練習に集中して欲しかったので断った。
夜、皆の食器を洗っていると、及川からバレーをしようと誘われた。合宿中はバレーが出来ないと思っていたので、嬉しかった。
体育館に行くと、珍しく一君も花巻も松川もいなかった。金田一、国見、渡、矢巾を入れ、六人で3対3をする事になった。女の子相手ということもあって、全力の皆とバレーが出来ないのは残念ではあったけど、それでも一緒にバレーが出来て嬉しかった。