第4章 追い掛けてくる過去(ヒロイン視点)
外もすっかり暗くなり、これ以上残っていてもと思い、帰ることにした。すると、暗いからと言って一君が家まで送ってくれると言ってくれ、部活の邪魔はしたくないと断ったが、転校してきたばかりで、不慣れな夜道を一人で歩かすわけにはいかないと言われ、一君の好意に甘えることにした。
帰り道、一君がチームでバレーをしてる所が見れて良かったとか、いいチームだとかそんな話しをしながら歩いた。すると一君が、男子バレー部のマネージャーにならないかと、言ってくれた。
「一緒にコートに立つことは出来ないし、莉緒が選手としてコートに立つ事は出来ないけど、マネージャーだってチームの一員だ。青葉城西の連中なら、絶対お前に悲しい思いをさせたりしない。だから、一緒に春高に行こう。」
正直この時期から女子バレー部に入部する事に迷っていた事もあった。マネージャーとして、一君と一緒のチームで私のバレー生活を終われるなら、選手としてコートに立てなくても、それでいい。そう思い、私はマネージャーを志願した。
翌日男子バレー部に入部届を出した。昔は男子バレー部にもマネージャーはいたらしいけど、及川が入部してから、及川目当ての女子がマネージャーを志願し、ちゃんとマネージャーの仕事をしなかったらしく、ここ二年間はマネージャーを取らなかったらしいが、私は及川目当てでもないし、一君からの推薦ということもあり、コーチと監督は承認してくれたが、体育館にいる私を見て及川は随分嫌そうな顔をしたが、選手としての経験とバレーの知識がある事から、マネージャーとして男子バレー部への入部を許可してくれた。
それから、マネージャーとしてではあるが、一君と一緒にバレー部にいれることが嬉しかった。部員も皆いい子達ばかりで、同級生の花巻や松川は私の事をよく気にかけてくれていた。
及川との関係は相変わらずで、一々及川の軽い態度が私をイラつかせた。