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【HQ】Egoist

第4章 追い掛けてくる過去(ヒロイン視点)


 翌日、部活が休みの一君と、一緒に映画を見に行った。一君の好きな怪獣の映画。映画を見てる時、一君は目をキラキラ輝かせながら、映画に見入ってて、それがなんだか可愛かった。
 映画が終わり、ランチを済ませ、また市民体育館でバレーをした。凄く楽しい時間だった。
 外に出ると、もう真っ暗で、雪も降っていて、凄く寒かった。
一君と手を繋いで一君の家に帰った。
 夜になると雪は益々強くなり、なかなか寝付けなかった。その雪があの日の記憶をちらつかせた。怖くて、寂しくて、苦しくて、涙が止まらなかった。
 そんな時、携帯のバイブが鳴った。携帯を見ると、一君からのLINEで、

『大丈夫か?』

 そのLINEを見て、私は一君の部屋へと向かった。部屋の扉をノックすると、一君が部屋に入れてくれた。泣いてる私を見て、抱きしめてくれた。泣き疲れたのと、一君の温かさに安心して、私はそのまま一君の胸の中で眠ってしまった。

 翌朝、目を覚ますと、私は一君のベッドで寝ていた。一君はベッドの横で私の手を繋いだまま寝ていた。私が慌ててベッドから起き上がると一君も起きて、おはようと優しく笑いかけてくれる一君に、思わずドキドキした。その気持ちが一君に悟られるような気がして思わず手を離した。一君は私の頭を撫でてくれた。
 一君とも今日でお別れ。次に会えるのは春休み。一君と離れるのは辛かった。一君と同じ学校に行って、同じコートに立つことが出来たら、どれだけ楽しいだろう。叶うことのない願望だけが日に日に膨らんでいった。



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