第4章 追い掛けてくる過去(ヒロイン視点)
中学三年生、県外への引っ越しが決まっていた為、私は県外の高校を受験した。
中学三年生の頃から、待ち伏せされたり、後を付け回されたりすることが多くなり、それを心配したお父さんが高校は女子高にしようと言って、お父さんに言われた通り女子高を受験した。受験も無事合格し、春から女子高に通うことになった。
高校でもバレー部に入部した。監督から実力を評価され、唯一、一年生でレギュラーを勝ち取ったが、やはりそれを気に入らない先輩達がいて、そこでも色々言われたが、二年生で唯一レギュラーの四宮美鈴さんがよく庇ってくれていた。美人で、バレーが上手く、チームをよく見ていて、三年生や監督から可愛がられ、後輩達からも慕われていた。そんな美鈴さんを私は尊敬していた。
引っ越し先が岩手だった為、連休の時はお母さんと一緒に一君の家に遊びに行ったり、一君達がこっちに遊びに来てくれたりした。
久しぶりに会う一君は、すっかり男の子になっていて、ビックリしたけど、中身は昔と変わらず、優しいままだった。
高校生になり、お互い携帯を購入したことから、やり取りは手紙からLINEへと移った。手紙よりも気軽に連絡が取れることから、前よりも頻繁に連絡を取るようになった。互いに部活が休みの日は、一緒にバレーをする事もあった。バレー部に入部した中学一年生の時以来に、充実した日々を送っていた。
高校一年、インターハイ三回戦で敗れ、三年生は引退し、美鈴さんが主将になった。
「私にとって、エースは莉緒以外考えられない。」
そう言って、美鈴さんから背番号4のユニフォームを貰った時は嬉しくて涙が出た。代々うちの高校は、4番がエースとされていた。エースとして認められ、チームに必要とされる事がこんなにも嬉しいなんて、知らなかった。バレーをやってて良かったって心の底から思った。