第4章 追い掛けてくる過去(ヒロイン視点)
二年生になると、すっかり注目の的になってしまった私は、常に周りから見られるようになっていて、女子から少し可愛いからって、なんて陰口を叩かれるようになった。最初はそれが嫌だったけど、バレーをすればそんな気持ちも忘れ、練習が楽しくて人一倍練習したかいもあって、バレーも上達し、三年生を差し置いて、二年生で唯一レギュラーに選抜された。そのせいで、三年生から煙たがれたけど、友達が励ましてくれたり、慕ってくれる後輩もいて、部活は楽しかった。
二年生の春、折角レギュラーに選ばれたのに、初めての公式戦を前に転校する事になり、結局試合には出れなかった。
転校した先でもバレー部に入った。そこのバレー部はウイングスパイカーに主将と副主将がいた為、ウイングスパイカーとしてレギュラーを取ることが不可能だった事、正セッターが一年生で、力不足であったこともあり、顧問の勧めで、私はセッターとして練習に励んだ。そして、直ぐに私はセッターとしてレギュラーを勝ち取った。
そこでも、相変わらず先輩達から生意気だ、なんだと陰口を叩かれていたのは知っていたけど、それでもバレーは楽しくて、初めて出た大会は二回戦敗退だったけど、とても楽しくて、もっともっとバレーにハマっていった。
そして中学二年生の冬、転校した。
中学二年生の冬、受験が控えてるし、部活に入るのもあれかと思ったけど、バレーをしないという選択肢は私の中になく、やっぱりバレー部に入った。転校した学校は、小さな学校で、バレー部はあったけど、部員は私を入れて丁度七人。ミドルブロッカーが足りなかった為、今度はミドルブロッカーとして練習に励んだ。身長が高い訳ではなかった為、少し苦労はあったけど、ブロックで相手のスパイクを叩き落とす瞬間は快感だった。