第3章 彼女の過去
飲み物を買う為に、自販機に行くと、そこで女子大生に逆ナンされ、すぐ戻るつもりが、思いの外話し込んでしまって、LINEのIDを交換し、やっと開放された。
渡っちと矢巾の分の飲み物も購入し、三人の元へ戻ろうとすると、何やら知らない男達に囲まれていた。そこで、莉緒ちゃんと一緒にいてもらうメンバー渡っちと矢巾を選んだのが間違えだった事に気付いた。あの二人だと、別に怖くないし、話し掛けやすい。二人のうちのどちらかが莉緒ちゃんの彼氏に見える訳ないし、せいぜい弟って所。俺は慌てて三人の元に走ったが、俺が三人の所に戻るよりも先に、岩ちゃんが三人の元にたどり着き、岩ちゃんの強面顔に負けたナンパヤロー達は、莉緒ちゃんの元を去っていった。
「莉緒ちゃんごめんね。」
「及川遅い。」
そう言って俺の手からポカリを奪い、それを飲む莉緒ちゃん。
「渡っちと矢巾もごめんね。」
「アイツらほんと失礼っすよ!俺らのこと弟とか言って、お姉ちゃんは俺らと遊んだ方が楽しいからとか言って!」
弟扱いされたのが気に入らなかったはしい矢巾は怒っていた。そしてそれを宥める渡っち。
「でも、岩泉さんが来てくれて助かりました。」
「岩ちゃんが絶対一番長く泳ぐと思ってたのに、まさかもうリタイアしてたなんて、まあ、そのお陰で助かったけどさ。」
「莉緒が絡まれてたのが見えたから戻ってきただけだ。」
普通泳いでたら、浜辺で莉緒ちゃんがナンパされてるなんて気付かないと思うけど。でも、それを言い出せば、花火大会の時だってそう。あんな人混みの中、岩ちゃんは莉緒ちゃんのピンチに駆け付けてる。…そんなの、好きになっちゃうに決まってるよね。