第3章 彼女の過去
体育館に居辛くて、俺はそのまま体育館を出て、皆と合流した。
「岩泉と莉緒ちゃんは?」
「二人が片付けしてくれるって言ったから任せてきちゃった。」
花火をして、皆と笑っていても、頭に浮かぶのは岩ちゃんと莉緒ちゃんの事ばかり。俺が出た後、二人はどうしたんだろう?にしても、まさか、あの岩ちゃんが女の子を抱き締めるなんて思ってもいなかったら、正直かなりビックリしたけどね!俺とは連絡を取ってなかった七年間の間、二人には何があったんだろう。考えても考えても答えは見つからないし、二人に聞いたって、俺の知りたい答えが返ってくるとは思えない。
「花火まだ残ってる?」
「おー岩泉おせーよ!」
暫くすると、何事も無かったかのように二人がやってきた。莉緒ちゃんはいつも通りの表情で、その顔を見て少しホッとした。
「何?」
「莉緒ちゃん可愛いなーと思って。」
「及川も今日もイケメンですねー。」
「心篭ってない!」
「思ってもない事を心込めて言えないし。」
花火を終え、合宿場に戻った。岩ちゃんに聞きたい事は沢山あったけど、その日はそのまま眠りについた。