第3章 彼女の過去
「うおー!海だー!」
「ビキニギャルー!」
「おい、お前ら、遊びに来てんじゃねーんだからはしゃぐなよ!」
今日から三日間、また合宿が始まった。今回は近くに海がある合宿場を借りて、練習することになった。砂浜でのロードワークって結構楽しくて俺は好きなんだけど、砂浜でのロードワークが初めての一年達は大変そうだった。二、三年はロードワークしながら水着のお姉さん達を眺め楽しそうに走ってた。
ロードワークが終わり、体育館でポジションごとに練習を始める。今回は青葉城西のみの合宿の為、莉緒ちゃんは朝から忙しそうだった。まあ、確かに、この人数の食事の準備とか大変だよね。でも、莉緒ちゃんは嫌な顔一つせずに、俺達のサポートをしてくれる。今年は莉緒ちゃんが炊事や洗濯を全てやってくれてるおかげで、一、二年も練習に集中出来てる。
「莉緒ちゃん、食器洗うの手伝おっか?」
「いい。」
「でも、朝からずっと一人で大変でしょ?」
「皆が練習に集中出来るならそれでいい。」
「食器洗い終わったら仕事終了?」
「今洗濯機まわしてるから、それが終わって干したら終了。」
「じゃあ、洗濯機まわってる間は暇だよね?」
「何?さっきから。」
「バレーやんない?」
そう言うと、莉緒ちゃんは嬉しそうな表情で、頷いた。