第2章 彼女の素顔
「マッキー、まっつん!」
待ち合わせ場所に着くと、既にマッキーとまっつんが待っていた。
「うわ、お前ら何。二人一緒に歩くとすげー目立つな。芸能人みてー。ムカつく。」
「莉緒ちゃん浴衣似合ってるね、かわいい。」
「ありがとう。一君は?」
「あー、なんかちょっと遅れるって言ってたから、先に行こうぜ。」
花火大会の会場は既にすごい人混みだった。
「莉緒ちゃん、はぐれないようにねー。なんらなら、手繋いじゃう?」
「え、罰ゲームか何か?」
「俺の優しさを罰ゲーム扱いなんて、莉緒ちゃん酷い!」
「何食べるー?」
「俺はしまき。」
「クレープ食べよ、クレープ。」
「女か。」
「莉緒ちゃんは何か食べたいのある?」
「かき氷!」
出店で莉緒ちゃんが注文すると、必ずと言っていい程、店の奴らに声を掛けられ、莉緒ちゃんの可愛さのおかげでだいぶサービスをしてもらった。
「俺も女の子に生まれれば良かった。」
「及川が女でも、俺何もサービスしねーよ。」
「右に同じ。」
「いや、俺が女の子だったら絶世の美女だよ、絶対!」
皆で買ったものを食べワイワイしていた。そろそろ花火の上がる時間だってのに、岩ちゃんからはまだ連絡もなくって、そろそろ花火見る為に移動しようかと、移動してる時に、莉緒ちゃんとはぐれた。LINEを入れるけど、既読もつかなくて、一緒に探してても効率が悪いって事で、三人バラバラになって探すことになったけど、この人混みの中、人探しは難しく、マッキー、まっつんからの連絡も来ないし、まだ誰も合流出来てないんだろう。汗まみれになって、人混みをかき分けるはしるけど全然見つからない。こんな人混みの中、女の子一人。莉緒ちゃん絶対ナンパされてるよな。