第2章 彼女の素顔
『着いたらLINEして。絶対インターホン鳴らさないで。』
花火大会当日、部活は休みで、五時に莉緒ちゃんを迎えに行く約束をしていた。莉緒ちゃんの住むマンションに時間丁度にマンションに着いて、前日言われてた通りLINEを入れた。マンションはここらで一番でかくて、セキュリティもかなりしっかりしてて、中に人を入れるのが面倒ならしい。
『すぐ降りてくる。』
LINEの返事を確認し、マンションの前でボーッとしてた。不意に声を掛けられ、声の方を見ると綺麗なお姉さん。
「誰かと待ち合わせ?」
「あ、友達と。」
「私も友達とこれから合流するんだけど、良かったら友達も一緒に私達と遊ばない?」
「及川。」
マンションのエントランスのドアが開き、浴衣姿の莉緒ちゃん。あまりの可愛さに言葉が出なくて、つい見とれてしまった。
「なんだ、友達って彼女じゃん。」
ムスッとした表情で何事もなかったかのようにお姉さんは去って行った。
「誰?」
「さあ?」
「黙ってればイケメンに見えなくもないもんね。」
「黙ってればってどういうこと!?あー、莉緒ちゃん浴衣なら俺も着てくれば良かった。」
「浴衣暑いし動きにくいし、嫌だったんだけど、お母さんが折角だからって。」
「じゃあ、行こうか。」
「うん。」
莉緒ちゃんの歩くスピードに合わせ、皆と待ち合わせしてる場所に向かった。
浴衣姿の莉緒ちゃんは、いつも以上に人の目を引いてて、通り過ぎる人全員が莉緒ちゃんに見とれてた。通り過ぎる人達が、「あのカップルお似合い」「すげー美男美女」なんて口々にしてるのが聞こえてきた。