第2章 彼女の素顔
練習も終わり、夕食も風呂も済ませ、莉緒ちゃんが泊まる初めての合宿ってことで、皆でUNOでもしようかと、マッキーとマネージャー達の部屋を尋ねた。
「お風呂に行くって出て行ってからまだ戻って来てないのよね。」
「てか、橋口さん目当てにさっきからひっきりなしに尋ねてくるんだけど。女子の私達から見てもすっごく可愛いのは分かるけどさ、こっちだって疲れてるわけよ。だからもう尋ねてこないで。」
そう言ってドアを閉められた。
「莉緒ちゃん風呂上がりに他校の奴らに絡まれてんじゃねーの?ぜってー、風呂前で出待ちしてた奴いるって。」
「風呂前で出待ちとか流石にそれは俺も引く。」
マッキーとゲラゲラ笑いながらそんなことを話してたけど、本当にありそうで怖い。そのまま他校の部屋に連れ込まれてないか。まあ、あくまで今は合宿中だし、変な間違えはないと思うけど。
「とりあえず、金田一達誘いに行こっか。」
「だな。」
そう言って、マネージャー達の部屋を離れ、金田一と国見ちゃんの部屋に向かった。
「金田一、国見ちゃーん!邪魔するよー!」
部屋のドアを開けると、気持ち良さそうに布団で寝ている莉緒ちゃんの姿。
「え?莉緒ちゃん連れ込んで何やってんの?」
「ふー!金田一、国見やるー!」
「え、あ、ち、ち、違いますよ!」
「国見ちゃんは兎も角、金田一がそんなことをする子だったなんて、及川さん悲しい!」
慌てた様子で事情を説明する金田一と、先輩二人が尋ねて来てるのに、全く興味なさそうに莉緒ちゃんの隣でゴロゴロする国見ちゃん。