第24章 【番外編】似たもの同士の出逢い(京谷賢太郎)
「…おい。お前こそ部活行かないで何でこんな所でバレーやってんだよ。」
ゲームが終わり、水分補給をしていた女に話し掛けた。
「私、高校ではマネージャーだから。」
「は?」
「私、チームプレー向いてないんだよね。」
そう言って悲しげな表情を浮かべたが、さっきのゲームを見て、チームプレーが向いていないという言葉はどうもしっくりこなかった。さっきのゲームは完全にコイツ主体で成り立っていたし、チームの輪を乱すような孤立したプレーでも無かった。
「あ、トス上げて欲しくなった?」
「馬鹿言え。誰がお前のトスなんか欲しがるかよ。」
「残念。私は君にだったら何回でもトス上げたいんだけどな。」
中学の頃からプレーにムラがあって、それに嫌気をさしたチームメイトから今日の京谷はダメだとか、アイツのプレー乱暴だとか、そんな言葉を掛けられた事しか無かった為、向けられたその言葉に少しだけ戸惑った。