第23章 【番外編】親愛なる四人へ(松川一静)
「…そんな事ある訳…だって、私の事、応援するって…それに、相談だって乗ってくれてたし…。」
それに関しては及川も馬鹿な事したと俺も思ってる。自分だって好きで好きで堪らない筈なのに、そんな相手の背中を押したり、応援するような事して。
「及川はさ、誰にでも優しいけど、莉緒ちゃんは特別だったと思うよ?」
そう言うと、莉緒ちゃんの瞳から涙が零れた。
「…どうしよう、松川…。私、及川の事、ずっと傷付けてた…。」
「うん、そうだね。けど、及川もやっちゃいけない事したワケだ。でもね、及川は莉緒ちゃんを傷付けようと思ってやった訳じゃないんだ。それは分かってあげて欲しい。莉緒ちゃんは及川の事、どうしたい?」
莉緒ちゃんは俯き乍、その問い掛けの答えを探しているようだったが、簡単に答えは出せないようだった。
「俺はさ、及川も莉緒ちゃんも大事なチームメイトだし、親友だと思ってる。勿論、岩泉や花巻の事も。五人で一緒にいる時間は楽しかったし、これからも仲良くしたいと思ってる。及川の事を許す許さないってのは、莉緒ちゃん次第だし、莉緒ちゃんが及川を許せないって思うなら、それで構わない。けどね、俺は皆が好きだから、まだ五人で一緒にいたいと思ってるよ。だからね、及川が謝ってきたら、及川の話、ちゃんと聞いてあげてくれないかな?」
莉緒ちゃんはそれに黙って頷いた。