第22章 【番外編】そんなこと、自分が一番分かってた(花巻貴大)
そして、放課後五人でやっていた勉強会。俺が告った事が影響してか、つーか、絶対俺のせい。莉緒ちゃんがこれからは一人で勉強すると言い出した。
「俺は莉緒ちゃんと一緒に勉強するの楽しいし、莉緒ちゃんいないのは寂しいから嫌だけど。」
「…私、いてもいいの?」
「当たり前じゃんか。高校生活の最後をヤローばっかで過ごすのは勘弁。」
莉緒ちゃんの頭を撫でると、いつも凛としている莉緒ちゃんの瞳が揺れた。
「莉緒ちゃんは俺にとって大事な友達だよ。それは何があったって変わらない。だから──」
その言葉は、莉緒ちゃんによって遮られた。俺の胸に飛び込んで、肩を震わせ泣く莉緒ちゃん。
「…ごめん、花巻。私、花巻と友達になれてよかった。」
「俺もだよ。」
本当は莉緒ちゃんの彼氏になりたかった。けど、初めて俺の前で涙を見せてくれる莉緒ちゃんを見て、友達でもいいや、莉緒ちゃんの傍にいれるなら。そう思い乍、莉緒ちゃんの背中を叩いた。