第2章 彼女の素顔
教室を出て今度こそ体育館って思ったのに、莉緒ちゃんは一向に体育館に向かおうとせず、校舎内を二人でうろうろ。
「ねえ、莉緒ちゃん、部活行かないの?」
「行くけど。」
「早く行こーよ。」
隣を歩いていた莉緒ちゃんをおいて、早足で体育館の方へ足を進めると、莉緒ちゃんが足を止めた。
「莉緒ちゃん?」
「…及川は私と二人でいるのが嫌なの?」
え?あれ?ええ!?えええ?!!この可愛い生き物は本当に莉緒ちゃん!?顔が可愛いのは知ってるけどさ、莉緒ちゃんって、こんな女の子らしい性格じゃなくて、もっと、ズバッとした性格だし、いつもと違う莉緒ちゃんに困惑した。
莉緒ちゃんの携帯が鳴り、莉緒ちゃんは携帯を見ると、
「及川、早く部活行こう。」
「え?」
そう言って俺を置いてスタスタと歩いて行った。一人廊下に取り残された俺。
「え、ちょっと莉緒ちゃん!?」
さっきまでのあの態度はなんだったの?慌てて莉緒ちゃんを追いかけた。