第19章 そして俺達は、
「あ、岩ちゃーん!」
駅前に荷物を抱えて立つ岩ちゃんを見つけ、手を振った。そして、少し先を走っていた莉緒ちゃんを追い越し、いち早く岩ちゃんの元にたどり着いた俺は岩ちゃんに抱き着こうとしたが、思いっきり殴られそれは叶わなかった。
「再会早々岩ちゃん酷いよ!」
「気持ち悪いんだよお前は!」
「ちょっと及川!なんで私より先に…!」
少し遅れて岩ちゃんの元にやって来た莉緒ちゃんの頭を撫でる岩ちゃん。
「…久しぶりだな。」
「うん。」
大好きな二人のその姿を見て、満たされる心。
「それじゃあ行くか。」
「及川、何ボサッとしてんのよ。早く行くわよ。」
あの夏祭りの帰り道と同じく二人の肩を抱いた。
「二人共大好きだよ!」
「うぜー!くっつくな!」
「ちょっと離れてよ!」
「二人とも照れない、照れない!」
ー END ー