第17章 大好きな君に伝えたい事があるんだ
莉緒ちゃん、傷付けてごめんね。本当は俺が莉緒ちゃんをこの手で幸せにしてあげたかった。でも、俺じゃダメなんだ。もう遅いかもしれないけど、俺は莉緒ちゃんの味方でいたい。莉緒ちゃんが笑ってくれるなら、それは俺の隣じゃなくていい。
莉緒ちゃんは体育館を飛び出した。
「岩ちゃん追っかけて!」
そう言って岩ちゃんの背中を押した。
「クソ…っ!」
岩ちゃんは言われた通り莉緒ちゃんを追って体育館を出た。その後ろ姿を見て、俺は床に寝っ転がった。
「うわー思った以上にボコボコだな。」
「ちょっと、笑い事じゃないよ、まっつん。まっつんが遅いから岩ちゃんに超殴られたじゃんか。」
「何、松川はこれ知ってたの?」
「ごめんマッキー。ビックリした?」
「いや、ビックリ所じゃねーよ。」
そう話をする俺らに後輩達は、状況が掴めていないみたいで困惑していた。
「…ねえ、まっつん。俺、もう、泣いてもいい?」
「頑張ったな。」
その言葉に俺は静かに涙を零した。後輩達の前でボコボコに殴られるわ、泣いちゃうわで、今日の俺、最高にカッコ悪い。でも、心はスッキリとしてた。