第17章 大好きな君に伝えたい事があるんだ
気持ちに気付いていたと言われ、思い返してみれば、まっつんだけでなく、四宮さん、それに国見ちゃんにもなんかそれっぽい事を言われていた気がする。俺自身が自分の気持ちに気付く前にまっつん達は俺の気持ちに気付いていたらしい。
「まあ、あの二人がどうなったかは本人達しか知らないし。知りたいなら本人達に聞くしかないんじゃない?」
「聞きたいのは山々だけどさ、そんなの出来る訳ないじゃん!」
「俺が聞いてもいいけど。」
「それはダメ!」
話を聞いて貰えるだけでも充分有難いのに、まっつんをこれ以上俺の自己中な行動が起こした失態に巻き込みたくはない。それに、第三者からそんな話をされる二人の身にもなってみたら…。
「こういうのはさ、俺より適任がいるから。及川、携帯貸してみ。」
「え?なんで?」
その問いかけにまっつんは答えず、黙って手を伸ばした。そして、言われた通り、まっつんに携帯を渡した。
「ちょっと外出てくる。すぐ戻る。」
そう言ってまっつんは俺の携帯を持って外に出て行った。…まさか、俺の携帯から二人に電話したりしないよね?そんな不安もあったが、もし二人を呼び出すにしても、まっつんだって二人の連絡先は知ってるわけだから、俺の携帯から電話を掛ける理由がない。それに、俺の携帯から掛けた所で二人が電話に出るとは思えない。そんな事を考えながら、少し冷めたミルクティーを口に含んだ。
暫くするとまっつんは店内に戻って来て、何したの?と聞いたが、もう少ししたら分かるとだけ言って、それ以上は何も言わなかった。