第2章 彼女の素顔
「じゃあ誰かの家でやるしかなくね?」
「え、てか、何、皆明日も勉強すんの?バレーは?」
「及川君、学生の本業は勉強ですよ。」
「まっつんだっていつもは自主練してんじゃん!」
「ならもうさ、体育館でやればよくね?勉強飽きたら息抜きにバレーして、みたいな。」
「マッキー天才。」
次の日から放課後は体育館で勉強をする事になったんだけど、岩ちゃんは殆ど莉緒ちゃんに付きっきりで、岩ちゃんがボールに触ることは殆どなかった。いつもなら自主練してる一、二年も、勉強を始めた。
そんな感じで一週間が過ぎ、テストも無事終わり、部活再開。の筈だったんだけど、
「え?莉緒ちゃん赤点あったの?」
悔しそうな表情を浮かべる莉緒ちゃん。莉緒ちゃん、なんでも卒無くこなしそうなのに、まさか頭悪かったなんて、意外。だから、あんなに一生懸命勉強して、それに岩ちゃんも付きっきりだったんだと、納得した。
「赤点が60点からだからいけないのよ。」
「悪いのは赤点を取った自分でしょ。」
その言葉にまたムッとした表情。
「で、どの教科が赤点だったの?」
「…現国と古典と日本史。」
「三教科!?」
「まあ、三教科なら補習は三日間だし、合宿は補習終わってから参加すればいいし。」
「…勉強教えてもらったのに、ごめんなさい。」
「まあ、仕方ねーだろ。」
一年から三年全員合わせて、赤点は莉緒ちゃんだけで、後輩達からも励まされていたけど、莉緒ちゃんは悔しそうにしてた。