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【HQ】Egoist

第2章 彼女の素顔


 男子バレー部のマネージャーになった理由を話してくれて、莉緒ちゃんと打ち解けられたと思ったのに、相変わらず莉緒ちゃんは俺に対して塩対応だった。
 クラスが違うから、勉強する莉緒ちゃんの姿は新鮮で、自然と莉緒ちゃんに目がいって、顔を上げた莉緒ちゃんと目が合って、微笑むと「キモい。」って言われた。それにマッキーとまっつんは大爆笑。


「普段女子にチヤホヤされてるから、莉緒ちゃんの及川への対応見ると気持ちいいよな。」
「それな。」
「一君、ここの問題なんだけど、」
「莉緒ちゃん、俺が教えてあげるよ。どこがわかんないの?」
「アンタには聞いてないんだけど。」
「岩ちゃんより俺の方が成績いいんだからね!」


 岩ちゃんと莉緒ちゃんはそう言う俺を無視して、岩ちゃんは莉緒ちゃんが指さす問題集をのぞき込む。二人共顔が近い。莉緒ちゃんが岩ちゃんに好意を寄せてるのは確か。岩ちゃんが莉緒ちゃんの事を恋愛対象として好きかどうかはわかんないけどさ、岩ちゃんだって男だし、こんな可愛い子とずっと一緒にいたら、思わず手を出したくなる瞬間だってあると思うし、


「痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い!岩ちゃん突然何!痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い!」


 突然岩ちゃんに顔を鷲掴みにされた。岩ちゃんの握力で握られたら相当痛い。


「なんかムカついたから。」
「理不尽!」


 考えてる事がバレたのか、その思考を遮るかのようにふるわれた理不尽な暴力。最近皆、本当に俺の扱いが酷い。


「ドリンクバー取ってくる。」
「俺ペプシ」
「なっちゃん。」
「烏龍茶。」
「私抹茶ラテ。」
「自分で取りに行きなさい!」


 と、言いながらも皆の飲み物を入れてくる俺って優しい。



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