第2章 彼女の素顔
来週から期末テストの為、部活は一週間休み。って言っても、自主練はOKだから、結局部員の殆どが集まるんだけど、
「あれ?岩ちゃんと莉緒ちゃんは?」
「テスト勉強するって言ってたよ。ファミレスで。」
「え、俺聞いてないけど!」
「俺も今日はファミレスで岩泉達と勉強。」
「俺も。」
「え、じゃあなんで、マッキーとまっつん体育館来たの!?」
「荷物取りに来ただけー。」
「その付き添い。」
「俺誘われてないし!てか、それなら俺も行く!」
えー、と言われながらも二人に着いて行った。
ファミレスに着くと、窓際の席に莉緒ちゃんが一人で座っていて、
「あの子可愛くない?」
「でも、男と二人だったよ。」
「今いないじゃん。声掛けてこよーぜ。」
そんな声が聞こえてきて、俺は莉緒ちゃんの元へ足を早めた。俺に気付いた莉緒ちゃんは、明らかに嫌そうな顔をした。
「なんで及川が来んの。」
「皆で勉強するなら俺も誘ってくれたっていいじゃん。てか、岩ちゃんは?」
「トイレ。」
莉緒ちゃんの隣に座ると、また莉緒ちゃんは嫌そうな顔をした。
「ちょっと、なんで隣に来んの。あっち座ってよ。」
「莉緒ちゃん、ごめーん。及川もついてきちゃった。」
ゲラゲラ笑いながらマッキーとまっつんも席についた。
さっき莉緒ちゃんに話し掛けようとした奴らを見ると、目があったけど、すぐに逸らされた。他の席の男連中も莉緒ちゃんを見てる。
学校の中でもそうだけど、莉緒ちゃんって、外でもかなり目立つって事が改めて分かった。岩ちゃんもそれは十分に分かってるだろうに、莉緒ちゃん一人にしてトイレとか不注意過ぎる。
「なんで及川も来てんの?」
「岩ちゃん!なんで俺だけ誘ってくんないのかったの!?」
「お前いつもテスト前も自主練してんじゃん。」
「岩ちゃんだっていつもは自主練してんじゃん!」
「及川、いいからあっち側の席に行って。」
「莉緒ちゃんも俺をそんなに邪険にしないでよ!」
「じゃあ帰って。」
「…あっちの席に行きます。」
岩ちゃんと席をチェンジした。