第13章 恋、気付く時(岩泉視点)
「───つうかよ、帰るんじゃなかったっけ?」
気が付くと、体育館に戻って来てた。
「やばいラーメン出る!!」
「脇腹痛えっ!」
「及川本気サーブ打つんじゃねーよ!!」
あんだけ食って直ぐに動いたせいか、腹は痛えし、試合前後で疲れもあって、思うように体は動かねえ。でも、三年だけでやるバレーは結構楽しくて、皆も同じ気持ちか、楽しそうにボールを追い掛けていた。
「ぼちぼち片さないと見回りくるぞ~。」
ネットを外そうと紐に手を掛けた時、及川が口を開いた。
「…皆、ちょっといいかい?」
「オイ止めろ、せっかくイイ感じで終わろうとしてんだ。このまま平和に終わろうぜ!」
「うるせえ!」
「何っ!?」
「三年間ありがとう!!!」
そう言った及川は泣いてたし、その言葉に全員泣いた。