第13章 恋、気付く時(岩泉視点)
学校に帰り、ミーティングが終わり、先生達が飯を奢ってくれた。食事を済ますと莉緒は京谷と一緒に帰って行った。それ以外のメンバーは試合前の約束とおり及川にラーメンを奢ってもらうべく、珍道中へ。
「おじちゃん替え玉ちょうだい!!」
「マジかよ。さっきも先生に飯オゴってもらったじゃん。」
「おではっ…!松川さんまでっづな゛げずに゛っ…!!」
「金田一鼻をかめ。」
「国見と京谷と莉緒ちゃんは?」
「帰った。」
ラーメンを食ってる最中、金田一だけがずっと泣いていた。
「ハァ~くそっくそっ。」
「本日五十三回目のくそ。」
「だってクソ悔しいじゃんかよ!」
後輩達と別れ、三年全員で帰り道を歩いた。
「今回は絶対全国行けるチームになってた…!!」
「まあ行ったら行ったでボコボコだったかもよ。」
「そんな事ねーし!!マッキー卑屈モード止めて下さい!!」
そんな感じでいつも以上に五月蝿い及川。
「元気出せよ一…!眉間のシワがすげーぞ。」
「わかっとる…。」
「…澤村君のレシーブも坊主君のフォローもヒゲ君のスパイクも渡っちのレシーブも狂犬ちゃんのフォローも飛雄のダイレクトも金田一のブロックもあの時全員が百二十%だった。それを全部足して!あの時ちょっとだけ烏野が上だった!!
それより岩ちゃんはあのトスに完璧なタイミングで入って来てた自分を賞賛するべきだ。」
真剣な表情で及川はそう言った。
「トスもタイミングも完璧だったから余計悔しいんだ!!!」
「ごもっとも!!!
でもラスト反応したのに拾えなかった俺の方が凹んでしかるべきだね。俺の方が悔しいね!!」
及川の顔がムカついたから取り敢えずぶん投げた。
「何を競ってんだ。」
「おー通常運転。」