第13章 恋、気付く時(岩泉視点)
「ナイッサー!!」
「オーライ。」
「ナイスレシーブ。」
長いラリーが続いた。これで決める。これで俺達は準決勝に駒を進める。
「岩ちゃん!」
「オオッ!」
及川のトスに合わせ、助走をつけた。今度はいつも通りの高さ、距離であげられたトス。それに、三枚ブロック。いざ目の前にあの三人を前にすると、俺はすげぇ小さい。だが、
「──締めが甘いぜ。」
セッターの腕の真ん中をぶち抜いた。
「ッシ!」
「すげーぞ岩泉!」
「かっこいい奴め!!」
「ナイスキー。」
「岩泉さんすげーっス!!」
「…俺もまだまだっすなあ。」
試合終了のホイッスル。セットカウント2-0。準決勝進出が決まった。
「ありがとうございましたー。」