第13章 恋、気付く時(岩泉視点)
試合中、向こうのブロックの高さにいつも通り攻撃が決まらなかったが、及川のツーアタックが決まり青城のマッチポイント。
「花巻ナイッサー!」
花巻のサーブでレシーブが乱れた。それをリベロがフォローし、主将のスパイク。花巻がブロックについたも、向こうのスパイクが決まった。
「二口ナイスキィィイ!!!」
21-24
ここにきてセッターが前衛にまわってきた。エースでブロックも上手い主将の二口。鉄壁の中枢の青根。そして三枚目の鉄壁一年セッター君。間違いなく今現在県内最強の〝三枚壁〟。
「岩ちゃん!」
「オオッ!」
及川からあげられたトスはネットよりも遠く、ブロックに捕まった。それを今度は一年セッターがツーで強打。
22-24
俺は元々身長が高くねぇ。向こうの前衛三人は俺より遥かに高い。ブロックに捕まらないように及川がトスをネットから離したのは分かる。が、それは俺にブロックを打ち抜く力がないと思われたと言う事。
「…おい。」
「おん?」
「いつも通りでいい。俺に勝負させろ。」
「…ウィッス。」
この鉄壁を打ち抜く事が出来ず青城でエースなんかはってられるかよ。