第13章 恋、気付く時(岩泉視点)
部活が終わり、及川と二人で帰った。帰り道でも岩ちゃんに彼女は早いだとか、部活と両立出来る訳がないだとか、散々好き勝手言っていた。及川の言う事は俺自身もそう思っていた事ではあったがそれを及川に指摘されるのは腹立たしくて拳骨を一つ落とした。いつもなら俺の拳骨を合図に話をやめる及川だが、今日はそれについて話をやめるどころか、ヒートアップしていった。
延々と話続ける及川と別れ、ようやく家に帰り着いた。さ程遠くもない家路までのこの距離が及川のせいでやたら長く感じた。夕食を済ませ、風呂に入り、部屋に戻った。スポーツバッグの中から部活中に立石から渡された紙を取り出し、携帯に登録した。…向こうは俺の連絡先知らない訳だし、とりあえず連絡入れといた方がいいよな。そう思い、立石にLINEを入れると、すぐさま返事がきた。
『部活お疲れさまです 。岩泉さんとこうやって連絡が取れるようになるなんて夢みたいです。部活でお疲れでしょうし、今日はゆっくり休んで下さいね。おやすみなさい。』
それにおやすみと書かれたスタンプを押し、そのままベッドに携帯を放り投げ眠りについた。