第13章 恋、気付く時(岩泉視点)
翌日、部活中に名前を呼ばれ、体育館の入口の方に目をやると立石の姿。立石の元へ行くと、彼女は
「部活中にすみません。昨日は嬉しくってついそのまま帰ってしまって。これ、私の番号とアドレスです。部活でお忙しいのは分かってるので、もし時間があった時とかに連絡もらえたら嬉しいです。…あ!別に無理強いはしないので。」
そう言って紙切れを渡された。
「それじゃあ部活頑張って下さい。」
そう言って頭を下げると彼女は帰って行った。
「岩ちゃん!彼女が出来たなんて聞いてないよ!」
及川に言ったら無駄に騒ぎ立てると思ったから言ってなかったが、案の定、騒ぎ出した及川。それを莉緒がうるさいと一喝。
「莉緒ちゃん、だって彼女が出来たって大切な事、本人の口からじゃなくて他の人から聞くなんて嫌じゃん!なんで岩ちゃん言ってくれなかったのケチ!」
「お前がそうやって一々騒ぐと思ったからだよボケ!」
「一君、おめでとう。一君の良いところ理解してくれる子がいて私嬉しい。」
その莉緒の言葉に何故か心が騒ついた。