第2章 彼女の素顔
気まづい沈黙の中、
「莉緒。」
振り返ると岩ちゃんがいた。
「お前、まだ保健室行ってなかったのかよ。
莉緒、女子次のゲーム始めるみたいだから、俺が保健室連れてく。」
「あ、うん、分かった。」
そう言って莉緒ちゃんさ足早に体育館の方へ戻って行った。
「莉緒に何言った?」
莉緒ちゃんの様子を不審に思ったのか、岩ちゃんは不機嫌な顔で聞いてきた。正直に言えば殴られるんじゃないかって位の気迫。
「…ごめん、岩ちゃん。聞くなって言われた事聞いちゃった。」
誤魔化したって、岩ちゃんはきっと気付く。
岩ちゃんはため息をついた。
「保健室、一人で行けんだろ。」
怒られると思ったのに、岩ちゃんは怒らなかった。
「ねえ、莉緒ちゃんは、なんで、」
「それは俺の口から言う事じゃねーから。」
そう言って岩ちゃんも体育館の方へ戻って行った。