第12章 好きでいてもいいですか?(ヒロイン視点)
「やっぱさ、岩泉君に彼女出来たからかな?」
「だよね。私も思った。」
「なんで?一君は関係ないでしょ?」
それに二人はマジで言ってんの?と呆れ顔。一君に彼女が出来たから私が告白されるなんてそんな変な話ある訳ないのに。
「クラスの連中はさ、莉緒と岩泉君が付き合ってないの知ってるよ。あ、あとバレー部。でもさ、他の人達は知らない訳じゃん?あんだけ仲良ければ付き合ってると思うでしょ、普通。私だって最初岩泉君の遠距離恋愛中の彼女が転入してきたんだ!って思ったもん。」
「それにさ、岩泉君いっつも莉緒が変に絡まれないように気遣ってたじゃん。」
「岩泉君に彼女が出来たって知れ渡ったのと、岩泉君に彼女出来て莉緒が気遣って最近前みたいに一緒にいないし、そうなれば告白されるに決まってんでしょ。莉緒可愛いんだから。」
一君と付き合ってると思われていた、なんて思いもしなかった。私達に取ってはその距離感普通だったから。一君が普段から私に気を遣ってくれていたことも気付いてなかった。今までどれだけ一君に迷惑を掛けていたか改めて気付かされた。