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【HQ】Egoist

第12章 好きでいてもいいですか?(ヒロイン視点)


「まあ、心配事もあるだろうけど、ここなら岩泉も及川も私もいるんだし、一人暮らしになっても大丈夫なんじゃない?まあ、あの二人の進路は知らないけど、あの二人以外にも仲のいい連中いるでしょ?」


 確かに、ここなら信頼出来る人が身近にいるから安心できる。美鈴さんは少なくともあと三年はこっちにいるだろう。でも、及川は多分上京するだろうし、一君と進路について話したことないから分からないけど、一君もまだ及川とバレーやりたいだろうから、一君もやっぱり上京するのだろうか。でも、彼女は学年一つ下だし、それだと遠距離恋愛になる。遠距離恋愛になっても二人は別れないのだろうか。一君は優しいから遠距離恋愛になっても、彼女の事心配させないように電話したり、会いに行ったりするのかな。


「及川と仲良さそうだったけど、付き合ってんの?」
「違います!」
「だよね。莉緒の嫌いそうなタイプだしね、及川。」


 確かに、軽いし、いつもヘラヘラしててその及川の態度ムカついてたけど、今はそうじゃない。及川は、誰よりも仲間を大切にしてる。周りを良く見ていて、臆病な私をいつも引っ張っていってくれる。


「でも、及川、私はいいと思うよ。」


 美鈴さんのその言葉に驚いた。美鈴さんも及川みたいなタイプは嫌いな筈なのに。


「莉緒はずっと岩泉好きなのは分かってるけど、たまには視野を広げてみたら?ずっと岩泉にべったりとは行かないでしょ?」


 そうだ。私は一君の優しさにずっと甘えていた。一君なら全部受け止めてくれると思っていたから。でも、もう一君ばかりを頼ってちゃいけない。


「もう一君の事は頼りません。」
「いや、そう極端にならなくてもいいとけどさ、岩泉だって莉緒の事大切に思ってるだろうし。」
「…今は違うと思います。」
「何?喧嘩でもしたの?」
「一君、彼女出来たので甘えてばっかりじゃ一君にも彼女にも悪いし。」
「はあ!?岩泉に彼女って、莉緒じゃないの!?」
「…違います。」


 そうだったらどれだけ嬉しいだろう。でも、私は一君に取ってただの友人で、チームの中の一人。それ以上にはなれない。


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