第11章 恋、気付く時
「…言いたかないけど烏野は強敵だ。」
「お前が素直に言うなんて珍しいな。」
「前回で身にしみてるからね。油断すれば喰われる。最初っからブッちぎって行こう。」
「ハイッ。」
「っしゃあ!!」
「よーし、そんじゃあ今日も──「「「「信じてるぞ(よ)キャプテン。」」」」
信じてるよ。
そう言おうとしたのに、それを四人に遮られて掛けられた言葉に驚いた。そんな事、今まで言ってくれたことなんてなかったじゃん。
「なんか照れる───「ミスったらラーメン奢りで。」
「俺チャーシュー大盛り。」
「俺はギョーザ追加で。」
「私は杏仁豆腐付きで。」
「入れるだけサーブもダメな!」
「ホラ、一・二年も頼んどけ!」
「マジっすか!!」
信じてくれてるからこそ、そう声を掛けてくれる皆の一言一言が嬉しくてたまらなかった。
「及川さんナイッサー!!」
「ナイッサァー!!」
「ショウユーウ!!」
「トンコォーツ!!」
「坦々めェーん!!!」
「決めてほしいの!?ミスってほしいの!?」
ホイッスルが鳴り、試合が始まった。