第11章 恋、気付く時
「ナイッサー!!」
「オーライ。」
「ナイスレシーブ。」
長いラリーが続いた。これで決める。これで俺達は準決勝に駒を進める。
「岩ちゃん!」
「オオッ!」
俺のトスに合わせ、岩ちゃんが助走をつける。それに、三枚ブロック。やはり、あの三人の前だと岩ちゃんは余計小さく見える。
岩ちゃんのスパイクに合わせブロックに入る三人。正しく鉄壁。
「──締めが甘いぜ。」
岩ちゃんのスパイクは一年セッター君の腕の真ん中をぶち抜いた。
「ッシ!」
「すげーぞ岩泉!」
「かっこいい奴め!!」
「ナイスキー。」
「岩泉さんすげーっス!!」
ウチのエースは俺が思ってるよりも遥かに凄かった。
「…俺もまだまだっすなあ。」
試合終了のホイッスル。セットカウント2-0。準決勝進出。
「ありがとうございましたー。」