第11章 恋、気付く時
試合中、向こうのブロックの高さに手を焼いたが、ツーアタックが決まりマッチポイント。
「花巻ナイッサー!」
マッキーのサーブでレシーブが乱れた。それをリベロがフォローし、ラスト新主将君。マッキーがブロックについたも、向こうのスパイクが決まる。
「二口ナイスキィィイ!!!」
21-24
「フー…。」
…ここで──あの一年セッター君が前衛か…。
エースでブロックも上手い新主将君。鉄壁の中枢の一番君。そして三枚目の鉄壁一年セッター君。間違いなく今現在県内最強の〝三枚壁〟。
「ナイサー!」
「ごめん少し短い!」
ここは少しネットから離してブロックを避けた方がいい。岩ちゃんは元々背も高くないし、あのブロックの高さなら尚更。
「岩ちゃん!」
「オオッ!」
岩ちゃんのスパイクはブロックに捕まった。それを今度は一年セッターがツーで強打。
22-24
「…おい。」
「おん?」
「いつも通りでいい。俺に勝負させろ。」
「…ウィッス。」
ブロックに捕まらないようにネットから離してあげたトス。打ちづらくなるのはわかってたけど、岩ちゃん今の結構怒ってたな。次は、いつも通り上げよう。本人もそう言ってるし。