第11章 恋、気付く時
「返ってくる!!チャンスボール!」
「クソッ!」
「叩け金田一!!」
俺のサーブ、伊達工の新主将君に返球され、そのまま青城のコートへ返ってきた。それを金田一がダイレクト。が、向こうの一番のブロックに阻まれた。
「次一本ー!」
伊達工は三年が引退してもう少し楽に行けるかと思ったけど、新しくデカいのも入ってきていて、思ったよりも苦戦を強いられている。けど、一セット目はこっちが取った。このまま行く。
「いーぞー、いーぞー、ハジーメー!いーぞ、いーぞ、ハジメ!押せ押せハジメ!もう一本!」
「ナイッサァ!」
「サァコォーイ!」
「二口ナイスキー!!」
「行け花巻!!ブロック二枚!」
マッキーのフェイントが決まった。
「花巻ナイッサー!」
「一本!」
マッキーのサーブを拾い、それをセッターがカバー。高いトスが上がる。が、向こうのミス。高身長のセッター、ハマればいい武器なんだろうけど、トスも、攻撃も甘い。動きはからっきし素人。ツーのモーションもバレバレ。
「チャンスチャンス!!」
「ハイ!」
「岩泉!!」
岩ちゃんのスパイクをリベロが拾いなんとか攻撃に繋ぐ。
「ワンチ!」
「カバー及川!」
「オーライ渡っち!!」
「ハイッ!」
「及川!」
「及川さん!」
新主将君と一番がすぐさまブロックにつく。でも、クロスはガラ空き。いける。そう思ったのに、セッターがつっこんできて、クロスの方も塞がりスパイクが止められた。変な奇声をあげ、新主将君は倒れた。なんつーブロック…!
「黄金ナイスキー!!」
「ひえ~っ。」
「加減しろやコノヤロォオ!」
絶対決まると思ったのに。なんつー高さ。まさに鉄壁。
「また面倒くさいチームと当たったもんだ…。」
「正直ちょっとスカッとしたな。」
「確かに。」
「聞こえてっから!!」