第10章 恋、気付く時(ヒロイン視点)
徐々に面倒くさがりながらも賢太郎は返事をしてくれるようになった。律儀に送り迎えもしてくれるようになった。私の過去の話を聞いて頑張ったなって褒めてくれた。
夏休み明けたら部活に出てみると言った賢太郎に頑張れと言ったが、まさか、賢太郎が青城だったとは知らなくて、体育館に賢太郎がいた時は本当に驚いた。そしてその時初めて賢太郎が年下だと知った。賢太郎も私の事を年下、若しくは同級生と思ってたらしい。まあ、別にそういう体育会系の上下関係とか好きじゃないし、仲良くしてくれるならそれで良かった。
「賢太郎、バレー部戻って良かったって思ってる?」
「わかんねえ。」
私にとっては、ここが最高のチーム。だけど、それが賢太郎にとっても必ずしもそうだとは限らない。でも、そうなって欲しいと願うのは私のエゴだろうか。