第9章 彼女と最後の青城祭
莉緒ちゃんと別れ、教室に戻り片付けに取り掛かる。
『お待たせしました。第三十四回青城祭、売上上位入賞クラス、部活動を発表します。』
その放送に片付けをする皆の手が止まる。
『第三位 二年二組 甘味処
第二位 三年六組 イケメン喫茶』
「え?嘘でしょ!?」
今年も一位だとばかり思っていたのに。クラスからも響きの声があがる。
『第一位 三年五組 スムージーショップ』
隣のクラスから歓声が聞こえた。まさか、最後の青城祭でクラス一位を逃すとは。教室からも落胆の声が。俺自身も絶対大丈夫だと思ってたのに莉緒ちゃん効果恐るべし。いや、部活の方で時間を取られすぎてたのも原因か。
『続きまして、部活部門の発表です。
第三位 女子バレー部 肉巻き屋
第二位 男子バスケ部 はしまき屋
第一位 男子バレー部 腕相撲&握手会』
今年もミスター青城に選ばれ、部活の方も一位。なのに、クラスの方だけ二位。
「まあ、及川が三年連続制覇しなくてちょっと気分いいな。」
さっきまで落胆の声が上がっていたのに、クラスメイトからのその一声に同意の声があがる。
「ハッキリ言って、ちょっとスカッとしたわ。」
「ちょっとちょっと!クラスメイトなんだからそこは悲しんでよ!」