第9章 彼女と最後の青城祭
ミスコンも終了し、午後はクラスの当番があった為、そのまま教室に戻り、軽くお昼を取って、そのまま昨日同様衣装に着替え、接客。今日も大盛況。可愛い女の子に囲まれ、楽しい時間だった。
「及川、そろそろ授賞式じゃね?こっちはやっとくからいいよ。」
「あ、じゃあ行ってくるよ。」
クラスメイトに送り出され、五組に行って莉緒ちゃんと狂犬ちゃんと一緒に体育館へ向かった。教室ではあんなにニコニコしてたのに、その笑顔はどこへやら。莉緒ちゃんはかなり疲れてる様子だった。
「お疲れだね、莉緒ちゃん。」
「なんか、面倒い客が多かった。」
「まさかナンパとかされてないよね?大丈夫だよね?」
「賢太郎も一緒だったから大丈夫。」
狂犬ちゃんを莉緒ちゃんの番犬に選んだ岩ちゃんの目には狂いはなかったようだけど、それは今まで岩ちゃんの役割だったのに。なんだかそれが少し腑に落ちなかった。
そして授賞式が始まり、グランプリに俺と莉緒ちゃんの名前が上がった。湧き上がる歓声の中ステージに上がりガウンを着せられ、トロフィーを受け取る。歓声に笑顔で手を振る俺と、もう笑顔なんか繕う気にもなれないといった莉緒ちゃん。
無事ミスター青城に選ばれ、三連覇を達成。国見ちゃんは惜しくも準グランプリ。まあ、来年からはきっとミスター青城は国見ちゃんになるんだろうな、って思ったのに、来年以降はもう出場しないらしい。始まる前はあんなに張り切ってたのに。さては、及川さんの凄さに圧倒されちゃったかな?なんて思っていたら、
「及川さん、本当におめでたい頭ですね。」
「ちょっと国見ちゃん!おめでとうございますじゃなくて、おめでたい頭ってどういうこと!?」
「そのまんまの意味でしょ?」
「橋口さんも及川さんと大差ないと思います。」
「ちょっと、どういう意味よ!?こんなのと一緒にしないで!」
「こんなのって酷いよ莉緒ちゃん!」