第9章 彼女と最後の青城祭
青城祭一日目も無事終了。岩ちゃんが腕相撲全勝してくれたおかげで、莉緒ちゃんは誰ともデートせずに済んだ。
青城祭中ということで、部活は休みだったけど、岩ちゃんと二人自主練。莉緒ちゃんは狂犬ちゃんと帰って行った。
「ねえ、岩ちゃん。」
「なんだよ?」
「最近莉緒ちゃんの事避けてない?」
「はあ?」
お節介だってのは分かってる。でも、あんな悲しそうな顔されて、そのままにしておくのも出来なくて、一番の解決策は岩ちゃんに直接聞くことしかないと思って岩ちゃんに聞いたけど、岩ちゃんはその質問に対して明らかに不機嫌な様子。
「避けてるよね?」
「…避けてねーよ。」
「最近莉緒ちゃんの事送って行かないし。」
「京谷がいるから大丈夫だろ。」
「なんで青城祭クラスの当番一緒じゃないの?」
「俺が決めた訳じゃねーし。」
「莉緒ちゃん、最後岩ちゃんと一緒にいるって言ったのに。」
「腕相撲見てるだけなんてつまんねーだろ。」
どれもこれも返ってくる答えは不自然のない答え。でも、莉緒ちゃんが寂しがってるんだよ。そう言えば良かったのに、その言葉は喉の奥で突っ変えた。