第7章 交わる想い
「また、前みたいに一緒にバレーしてくれますか?」
「…許して、くれるの?」
「許すも何も、私は怒ってなんかいません。」
涙を流しながら笑顔を繕う莉緒ちゃん。それを見て、四宮さんも泣いた。そして、莉緒ちゃんを抱き締めた。
「莉緒、ごめんね、ごめんね…!もう絶対裏切ったりしないから!絶対ずっと莉緒の味方でいるから!ごめんね、ごめんね…!」
その二人の姿を見て安心した。が、周りからの視線が非常に痛い。美女二人が泣きながら抱き合う風景はなんとも美しいが、人の目を惹きすぎる。
「はい、二人共。仲直り出来たのは俺も凄く嬉しいけど、ここ、外だからね。」
二人を無理矢理引き離すと、二人共涙を流しながら笑った。
「及川いたの忘れてた。」
「ちょっと!この場を作った俺にまず感謝でしょ!?」
「…ありがとう、及川。」
莉緒ちゃんの笑顔を見て安心した。少し強引だったけど、これで良かったんだ。きっとこれで、莉緒ちゃんは過去から開放される。もう、あんな悲しそうな、苦しそうな姿を二度と見ないで済む。
「莉緒!」
名前を呼ばれた瞬間、莉緒ちゃんは声のした方向に引っ張られた。莉緒ちゃんの手を引いて莉緒ちゃんを抱き締めたのは、汗だくで、息を切らした岩ちゃんだった。
「岩ちゃん!?」
後を追いかける為に、ここに戻ってくるだろうと思ってたけど、幾ら何でも早過ぎる。まさかとは思うけど、
「岩ちゃんもしかして、隣の駅から走ってきた?」
「当たり前だろうがボケ!」
隣の駅で降りるだろうとは思ったけど、まさか、電車に乗らず、隣の駅から走ってくるとは予想外だった。