• テキストサイズ

【HQ】Egoist

第7章 交わる想い


「また、前みたいに一緒にバレーしてくれますか?」
「…許して、くれるの?」
「許すも何も、私は怒ってなんかいません。」


 涙を流しながら笑顔を繕う莉緒ちゃん。それを見て、四宮さんも泣いた。そして、莉緒ちゃんを抱き締めた。


「莉緒、ごめんね、ごめんね…!もう絶対裏切ったりしないから!絶対ずっと莉緒の味方でいるから!ごめんね、ごめんね…!」


 その二人の姿を見て安心した。が、周りからの視線が非常に痛い。美女二人が泣きながら抱き合う風景はなんとも美しいが、人の目を惹きすぎる。


「はい、二人共。仲直り出来たのは俺も凄く嬉しいけど、ここ、外だからね。」


 二人を無理矢理引き離すと、二人共涙を流しながら笑った。


「及川いたの忘れてた。」
「ちょっと!この場を作った俺にまず感謝でしょ!?」
「…ありがとう、及川。」


 莉緒ちゃんの笑顔を見て安心した。少し強引だったけど、これで良かったんだ。きっとこれで、莉緒ちゃんは過去から開放される。もう、あんな悲しそうな、苦しそうな姿を二度と見ないで済む。


「莉緒!」


 名前を呼ばれた瞬間、莉緒ちゃんは声のした方向に引っ張られた。莉緒ちゃんの手を引いて莉緒ちゃんを抱き締めたのは、汗だくで、息を切らした岩ちゃんだった。


「岩ちゃん!?」


 後を追いかける為に、ここに戻ってくるだろうと思ってたけど、幾ら何でも早過ぎる。まさかとは思うけど、


「岩ちゃんもしかして、隣の駅から走ってきた?」
「当たり前だろうがボケ!」


 隣の駅で降りるだろうとは思ったけど、まさか、電車に乗らず、隣の駅から走ってくるとは予想外だった。


/ 330ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp