第6章 許されない過去(四宮視点)
午後の練習が始ま待ってからは一切莉緒に干渉しなかった。私の自己満足のせいで莉緒を傷付けたくない。もう、二度と莉緒を傷付けたくない。
「四宮大丈夫か?」
「大丈夫ですけど。」
「あのな、四宮。」
鳩宮さんが言おうとしてる事は大方予想がついた。
「いいんです。ほっといてください。」
最初から何もしなければよかった。私の自己満足のせいでまた莉緒を傷付けた。
二日間の合同練習も終わった。最初は高校生相手じゃ、なんて思ってたけど、意外といい刺激になったみたいだった。そして、莉緒と話せる事はなく、青葉城西の部員達は大学を出て行った。これでいい。これでよかったんだ。何度も何度も自分に言い聞かせた。
体育館で皆と一緒に片付けをしていると、ポケットに入れていた携帯が震えた。携帯の画面に表示された名前は
及川徹
電話に出るか正直悩んだ。でも、もしかしたら莉緒の事ではなく、今回の合同練習の事についてかもしれない。それなら電話に出ないわけにはいかない。そう思って電話に出ると、及川は酷く慌てた様子だった。
『四宮さん、まだ大学!?』
「そうだけど。何?何か忘れ物?」
『外に出てきて!急いで!もうすぐ着くから!』
そう言って電話は切れた。何を及川はそんなに慌ててるのか。疑問に思いながらも、言われた通り朝青葉城西の皆を出迎えた正門へと向かった。