第6章 許されない過去(四宮視点)
「なんか、青葉城西の主将は爽やかな感じだったけど、副主将はギラギラしてて怖いな。」
そう私に耳打ちする鳩宮さん。
「ああ、前話した私が虐めた相手があのマネージャーで、私から彼女を救ったのがあの副主将です。だから私、岩泉から相当嫌われてます。」
「おいおい、サラッとそういうこと言うなよ。」
「多分、私色々言われると思うけど、邪魔しないで下さいよ。過去の過ちをあんな風に責めてくれるのアイツだけなんで。」
鳩宮さんはため息をついた。
「お前さ、もっと器用に生きられない訳?」
「鳩宮さんこそ、その都合のいい男体質どうにかならないんですか?」
鳩宮さんが私の事を心配してくれてることは分かってた。でも、鳩宮さんに守られたって、意味がない。私は私がしてしまった過ちを償わなきゃいけない。罰を受けなきゃいけない。
莉緒のあの様子からして、莉緒は私に怯えているようだった。まともに話せるかどうかはわからないけど、話せる機会はきっとこの二日間だけ。学校が分かったからと言って学校に来たって校内に入れる訳じゃないし、第一に岩泉が邪魔をしてくるだろうし。
許されなくていい。拒絶されてもいい。莉緒に一言謝りたい。