第6章 許されない過去(四宮視点)
なんで、岩泉と莉緒が一緒にいるの?
莉緒の転校先は宮城だったの?
あれから莉緒と岩泉はずっと一緒にいたの?
聞きたい事は沢山ある。
「主将の鳩宮です。今日はよろしくお願いします。」
「副主将の岩泉です。よろしくお願いします。
うちのクソ主将がすみません、勝手に出ていってしまって。アップ取ったら早速練習試合お願いします。」
鳩宮さんと岩泉は握手を交わした。そして、鳩宮さんと挨拶を終えた岩泉は、私の元へ。
「なんでお前が宮城にいんだよ。」
「引越してきたのよ。」
「まさか、莉緒を追って来たんじゃねーだろうな?」
「莉緒が青葉城西にいるなんて知らなかったし。ていうか、何?なんで岩泉と莉緒が一緒にいるわけ?なんで莉緒女子バレー部じゃなくて、男子バレー部のマネージャーやってんの?」
「お前には関係ねーだろ。」
岩泉から嫌われてるのはもう明らかだったし、冷たく当たられることなんて、分かっていた。でも、いつから莉緒と一緒にいたのかとか、色々聞きたい事があった。だから、冷たく対応されるのは分かっていたのに、私の質問に答えない岩泉の対応になんだか腹が立った。
「莉緒の傍にいるから莉緒の事、守れるつもりでいる訳?」
「は?」
「今度こそ守れるといいわね、王子様。」
意味深な言い方をすればそれに岩泉は怒声をあげた。再び莉緒を虐めるつもりなんて毛頭ない。でも、私の過ちをこんな風に責めてくれるのは岩泉しかいない。責められれば許される訳ではないけど、責められる事で私は救われるような気がした。