第6章 許されない過去(四宮視点)
マネージャーになり、私はまたバレーボールに触れる機会が出来た。久しぶりにボールに触れた時、嬉しくてたまらなかった。コートに立てるわけでも、バレーが出来るわけでもないのに。バレーに関われる事が嬉しかった。また、それと同時に、あんな事があったのに、まだバレーに執着している自分に嫌気もした。
サークルに入ってからは、先輩達とよく衝突した。言葉を選ばない私は、サークル内で孤立するものだと思っていたのに、鳩宮さんが上手くフォローをしてくれ、また、サークルの皆もこんな気難しい私を理解してくれようと努力してくれた。
勿論、衝突する事はよくあったが、それが喧嘩となる事は無かったし、本音を言いあえる仲間が出来たみたいで嬉しかった。
私みたいな人間が楽しいなんて思ってはいけないのに。
バレーが楽しいと感じる反面、過去の過ちが、過去の私が私の首を絞める。後悔したってもう、遅いのに。一番大事な人を傷付けた。裏切った。悲しそうな表情をする莉緒の姿が私の中から消える事は無かった。いつも、私の中にあった。