第6章 許されない過去(四宮視点)
高校を卒業し、私は宮城の大学へと進学した。
宮城に住むおばあちゃんの体調があまり良くなかった為、それを理由にし、岩手の大学へはいかなかった。両親は仕事の都合で岩手を離れられず、とりあえず四年間はおばあちゃんの家に住むことになった。おばあちゃんは、私がこっちの大学に進学し、一緒に住めることを喜んでくれた。元々おばあちゃんっこだった為、私もおばあちゃんと一緒に住めるのは嬉しかった。
そして、私が宮城の大学へ進学した理由は他にも二つ。
バレー部の子供達とは不仲なままで、大学まで顔を合わせるのが嫌だったこと。
そして一番の理由は、岩泉が宮城にいるから。私は自分のした行為に対し、全てを知っている人から責められたかった。莉緒に対して行った非道な行為を責めて欲しかった。それが莉緒に対する償いになるとは思っていない。誰かに責められないと、のうのうと生活してる自分が腹立たしくてたまらないから。そう、結局は自分の為。
そして、もし、莉緒にまた会えるなら謝りたい。許されるなんて思ってないし、許されたいとも思わない。宮城にいれば、岩泉に会う為に、莉緒はきっと来る。どこに住んでるか分からない。だから、会える可能性のある宮城へ進学する事を決めたんだ。