第6章 許されない過去(四宮視点)
それから監督との仲も悪くなり、部活を引退して直ぐに別れた。
どうしようもない苛立ちだけが私の中に残った。
本当はずっと前から分かっていた。悪いのは莉緒じゃない。事実を受け止められなかった私。弱かった私のせいだって。でも、それを認める事が出来る程私は大人じゃなかった。味方だと言ってくれていたチームメイトが上辺だけの関係で、本当に私を信頼し、味方でいてくれてたのは莉緒だけだったと。自分で壊しておきながら、全て無くして初めて、莉緒の存在がどれだけ大事なものだったか気付いた。
携帯に登録された莉緒の電話番号。発信ボタンを押すも、現在この電話は使われておりませんのアナウンス。そのアナウンスに泣いて謝る日々が続いた。謝って許される訳じゃない。許されない事をした。
後悔と罪悪感、虚無感、そんな感情が私を支配した。
そんな気持ちを抱えながら卒業した。