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【HQ】Egoist

第6章 許されない過去(四宮視点)


「何か用?」
「お前、莉緒と仲良かったんじゃねーのかよ?なんで、あんなことしたんだよ。」


 憎悪に溢れた鋭い目で睨みつけられた。


「あんなことって?」
「トボケんじゃねーよ!」


 莉緒と私はよく似ている。そう思っていた。お互いバレーの才能に恵まれ、容姿にも恵まれていた。それでも恋愛事には興味なく、ただひたすらバレーに熱中し、バレーが大好きで。でも、何故か莉緒は同性から好かれなかった。だから、私だけは絶対にずっと莉緒の味方でいよう、そう思っていたのに、私の全てを、莉緒は一瞬で奪っていった。この屈辱が、この悲しさが、この苦しさが、ただ、莉緒を可愛くて守りたいと思ってるだけのアンタに何がわかる。私が一人でこんなにも悩んで、苦しい思いをしてるのに、莉緒は泣いて、はじめくんに縋ったんでしょう。


「私は何も悪くない!悪いのは莉緒よ!あんな奴、初めから好きでもなかったし、ずっと疎ましくてたまらなかったの莉緒なんかいなくなればいいのよ!あの日あのまま凍死してればよかったのよ!」


 はじめくんは、私の言葉を聞くと、壁を強い力で殴った。


「お前最低だな。二度と莉緒に手出すんじゃねーぞ。
次莉緒に手出したら、女だからってただじゃすまねーからな。」
「莉緒の傍にずっといてやれないアンタに何が出来るっていうの?
今までだって何ヶ月も莉緒はイジメられてたのに、助けに現れたりなんてしなかったじゃない!それをいきなり王子様ぶって、キモいんだけど。」
「別にお前が俺の事をどう思おうが知ったこっちゃねーよ。」


 そう言ってはじめくん…、いや岩泉は帰って行った。



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