第6章 許されない過去(四宮視点)
「理由は何にせよ、娘が彼女に倉庫に閉じ込められたのは事実で、岩泉君が来なければ翌日まで閉じ込められていたかもしれないんですよ。謝れば済むような問題ではありません。」
声を荒げ怒鳴るお母さんもは正反対に、おじさんは静かに怒っていた。
「まあ、御二方とも落ち着いてください。」
言い合いを続ける母とおじさんを校長先生が宥める。
「自分の監督不届きが一番の原因です。申し訳ありませんでした。」
そう言って監督は頭を下げた。
「我々に頭を下げても仕方ないでしょう。あなた方が謝る相手は私達ではない筈です。」
「…ごもっともです。」
「まあ、娘に二度と会わせるつもりはありませんが。
近いうちに県外への転勤が決まっていました。引越しの時期はまだ決定はしていませんが、こんな学校に娘を二度と通わせたくはない。転校までの期間、娘は学校に来なくとも問題はありませんよね?」
「え、あ、はい。」
「さっきから聞いてれば、被害者ぶって!なんなんですか!」
淡々と話を進めていくおじさんと、それに申し訳なさそうに相槌をうつ校長先生と監督。そしてその態度に激怒するお母さん。悲しそうな表情のおばさん。
莉緒が転校する。
莉緒がいなくなる。
もう二度と莉緒の顔を見なくて済む。
もう、本当の終わりだ。