第6章 許されない過去(四宮視点)
そして体育館の鍵を開け、真っ直ぐに倉庫の方へと走っていった。まるで、莉緒がそこにいると知っているかのように。
「莉緒!」
私は自分のした事を責められるのが怖くて倉庫へ近付けなかった。
はじめくんが莉緒を抱えて倉庫から出てきた時、やっと警備のおじさんが体育館に来た。はじめくんの腕に抱かれた莉緒はぐったりしていて、指先は赤く腫れ上がっていた。靴を履いていてわからないけど、足も恐らく冷えきって赤くなっていただろう。怖くて声を掛けることが出来なかった。
警備のおじさんはぐったりとする莉緒の姿に驚いていた。はじめくんに声を掛ける警備のおじさん。それに対してはじめくんは酷く苛立っているようで、そのまま莉緒を背負って体育館を出て行った。