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夜の詰め合わせ。【裏SS】

第1章 紅薔薇【黒バス:火神】


どくん、どくんと脈打つ熱いそれは信じられないようなサイズで。
正直、元カレの倍はあると思う。

(……これってどっちが標準なんだろ?)

背中を冷たい汗が流れていく。
以前の情事ですらかなり苦痛を伴っていたのに、その倍だとどれほどの激痛か…
考えただけで気が遠くなる。

「センパイ…」

少し現実に引き戻された私に気付かず、火神は位置を入れ替えて、また口付けを要求してくる。
噛みつくようなキスを受けながら、キャミソールを捲り上げられる。
胸に直に触れられて、甘い痺れが全身を支配する。
指先までビリビリくる切ない痺れに逆らうことが出来ない。

「ンッ…──っぅぁっ!」

愛撫にあわせて声が漏れてしまうのが恥ずかしくて口を手で塞ぐ。
くぐもった声がまだ止まらないけれど、大きな声はでなくなった。
キャミソールを脱がされて、胸に口付けられる。
鎖骨、脇の近く、デコルテ…一番触れてほしい場所に触れてもらえない。

「や…ぃやぁ…」

触って欲しいとは言えず、力なく首を振ることしかできない。
それがわかっているのか、けして私の望んでいる場所に触れない。
大きな手で摘まむように胸を支えながら別の場所にばかり刺激を与えてくる。

「───センパイ何かしてほしいこと無いッスか?」

にやにや笑いながらあいかわらず見当違いな所を弄る。

「──馬鹿っ!」

睨みつけるも、涙目では迫力も出ない。

「……ちゃんと…触ってよ」

顔が赤くなっているのがわかる。
でも今は恥ずかしさよりも早く気持ち良くなりたい。
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