• テキストサイズ

異次元ひねくれライフ

第3章 絶滅危惧種


何度寝返りを打っただろうか

一睡もしていないような、うっすら夢を見たような。

なんとも言えない狭間で過ごすうちに、夜は白み、やがて太陽の日が差し込む

そのままゴロゴロ過ごしていると、ドアの前で声がした。

「お食事をお持ちいたしました」

「ご苦労。私が運んでおこう」

「いえ、でも」

「いや、君は下がりなさい」

誰かとクライブさんのやりとりが聞こえる。


クライブさん、寝ないで番をしてくれてたんだなぁ


やがてドアをノックされ、私は慌てて寝巻の上に一枚羽織る
鍵を開け、そっと扉をひらく。

「おはようございます。良く眠れましたか」

「全然・・・」

「朝食です。口に合うかどうかはわかりませんが」

朝食が載せられた台車をクライブさんが部屋に運んでくれた


「クライブさん、今日から私、どうなっちゃうの?」

「私に決定権はないから何とも・・・食後に司教様が話があると言っていた」


正直あんまり食欲は無い。

けど、運ばれた食事は朝食と思えないほど豪華で

手を付けないでいるのはちょっと勿体ない。



「朝食と身支度が終わったら教えてくれ」

言葉遣いは昨日の約束通り普通だけど、気まずさ故か目を合わせてくれない。


そのまま部屋を出て行くクライブさん。そういえばステアはどうしているだろうか?


置かれた朝食の皿達。
食べられそうな物を咀嚼し、花の香りがするお茶を啜る。


その後顔を洗い、ついでにちょっと汗ばんだままの身体をしぼったタオルで拭く。

昨日脱ぎ散らかしたままだった服をかきあつめて再び袖を通す


「準備、できました」

移動用に使ったローブを再び纏い、扉をそっと開ける。

「では、参りましょう」

昨日は薄暗くてほとんど見えなかった城内。

石レンガ造りの廊下は、昨夜と違ってとても明るい。

使用人と思わしき何人かがこちらへ向かって来る

すれ違いざまにローブを頭からかぶりなおす



そうして着いた教会は昨日のラスボス感が薄まり、むしろセーブポイント感を醸し出していた。
/ 77ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp